ヒョウモントカゲモドキの体と仕組み

私たちが知っているようなヤモリ(ニホンヤモリ)と比べると、体が大きいですし体格もがっちりしています。

フルアダルト(成長しきった大人の状態)で頭の先から尾の先まで、全長20~25cm程度になります。ヤモリにしては大きいですが、爬虫類全体で考えれば小型ですので、大きさの面からみても初心者向けの爬虫類であるといえます。

またオスはメスに比べてやや大型で体格もがっしりとしている個体が多いです。

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体表

頭から尾にかけてつぶつぶとしたものが並んでいて、これが爬虫類の特徴である鱗です。喉や腹もよく見ると細かい鱗が並んでいるのがわかります。

爬虫類の鱗は皮膚の角質が変化したもので、ヒョウモントカゲモドキの体表は細かな鱗と、つぶつぶとした鱗に覆われています。

ヘビみたいに脱皮もします。なお、脱皮した皮はすぐに食べてしまいます。ですので、うちのレオパが脱皮したとこなんて見てないなんて場合も、実はしていたなんてことはあります。

脱皮前の体表は白っぽくなるので、日頃観察していると脱皮のタイミングがなんとなくわかります。

ヒョウモントカゲモドキのチャームポイントである太くて大きな尾。この尾に脂肪分を蓄えていて、長期間食べ物が得られない状態でも尾からエネルギーを得ることができます。

栄養状態によって太さが変わるので、尾をみることで大体の健康状態を知ることができます。首と同じくらいの太さであれば、栄養状態が良く健康なレオパといえます。

尾は危険を感じたときに自分で切断して、切れた尾をオトリにすることができます。

このような行為を自切といいます。

本来は野生動物に襲われたときに、逃亡するための手段なのですが、飼育下でも自切をすることがあります。尾を強く引っ張ったり、何らかの強いストレスを感じることが自切の原因になるようです。

尾は切れてしまっても再生尾と呼ばれる尾が生えてきます。再生尾は元の尾と違い節がなく、つぶつぶとした鱗もなくなり、滑らかな表面になります。長さも短くなり、丸みを帯びた先端になります。

再生したばかりの尾は白いままなので、まさにカブのような見た目です。時間が経てば模様は出てきますが、元々の模様にはなりません。

尾を切り落とすということは、蓄えていた栄養をなくしてしまうということです。ある意味、命がけの行為であり体に大きな負担をかけます。

逆にいえば、よほどのことがない限り自切はしないのですが、普段からレオパを優しく扱うことを心がけたほうが良いということですね。

ヒョウモントカゲモドキの瞳孔は、ネコのように縦長です。瞳孔は光量によって太さが変化し、周囲が暗くなると縦長な瞳孔が太くなり円に近い形になります。

アルビノを除けば視力は高いので、ニオイだけでなく視覚でも獲物を確認できます。幼体の頃から明るいところで育てられているアルビノは、視力がほとんどないものもいます。

ヤモリの仲間は瞬きをしませんが、トカゲモドキは例外です。ヒョウモントカゲモドキは、動く瞼を持っていて目を閉じることができます。ですので、眠るときも目を閉じています。

寝ている姿は非常に愛らしいので、飼ったら寝顔を観察してみてください。

大きな牙こそありませんが、細く鋭い歯を多数持っています。頭と同じくらいの大きさの餌も平気で食べられます。

人に噛み付くことは滅多にありませんが、噛まれたら結構痛いので乱暴に扱ったりして、身の危険を感じさせたりしないようにしましょう。

ヘビほどではないですが、舌の先端はわずかに切れ込みが入っています。口の周りについた水滴などを舌で舐め取ることができます。

指と爪

指の本数は5本です。ヤモリの仲間ではありますが、指の裏に趾下薄板(しかはくばん)をもたないので、壁を登ることはできません。

腋下(わきした)

腋の下にはポケットのようなくぼみがあります。

餌をたくさん食べると尾に脂肪を蓄えるのですが、入りきらない脂肪は腋下に蓄えます。脂肪を蓄えた腋下には脂肪の塊がコブのようになって出ることもあります。

総排出腔

爬虫類は、糞を出すところ(糞管)、尿を出すところ(輸尿管)、卵や精子を出すところ(卵管と精管)のすべてが同じ穴を使って排出されます。そのような穴を総排出腔と呼びます。

尾と胴体の付け根にある切れ目のようなところが総排出腔です。

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