【レオパの繁殖】孵卵と孵化

産卵床に卵を産み落とされたら、なるべく速やかに回収します。

卵はケージの中に残しておくとメスに転がされてしまったりすることもあって孵化率が下がるので、気温と湿度が安定した場所に、産み落とされた位置を変えないまま保管する必要があるのです。

これを孵卵(インキュベーション)と呼びます。

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マジックで印をつける

産み落とされた卵を確認したら、まずは上下を変えないようにマジックなどで上部に印を付けます。万が一卵が転がってしまっても、上下をすぐに確認できるためです。

胚が出来るまでは上下逆になってもかまいませんが、胚が出来た後に上下逆にすると卵が死んでしまいます。基本的に、卵は見つけた時の向きのまま保管したほうが無難です。

卵を取り出して保管

その後、卵をゆっくりと取り出します。

ヒョウモントカゲモドキの卵は鶏の卵のように硬い卵殻で覆われているのではなく、弾力性のある皮のような質感の殻にくるまれています。そのため、多少加減を間違っても割れてしまうことはないのですが、なるべく優しく扱ってやりましょう。

産卵床から取り出した卵は、孵卵床に移します。移すときは、孵卵床を指先で軽くくぼませて、卵が転がらないようにすると良いでしょう。

孵卵床に使う容器について

容器は、プリンカップ(カブト・クワガタ用)かタッパーなどが、よく使われます。

乾燥を防ぐために、フタはしておきましょう。フタの代わりに、ラップをしてもかまいません。

少しは通気性をもたせたいので、フタに針で、いくつか穴を空けておきます。穴の個数は、フタの裏に水滴がつかない程度の通気性になるように、調節してください。

孵卵床の床材について

  • バーミキュライト
  • 黒土
  • 水ゴケ
  • パーライト
  • ハッチライト(孵卵用に開発された専用床材)

孵卵床の床材には上記のものがよく使われており、いくつか組み合わせて使うこともあります。

ハッチライトは、カビの原因にならず、水分を足す必要がないので管理が楽です。値段が高いので万人向けというわけではありませんが、確実に孵化させたいのであれば、利用するのが良いでしょう。

床材は湿らせておきます(ハッチライトはそのまま使う)。産卵床と同じく、握って水分が出ないくらいに濡らしておき、乾いてきたら霧吹きで水分を足してやります。このときに、なるべく卵に水滴がつかないようにしましょう。

湿度

孵卵床と卵を入れたカップには蓋をし、内部の湿度が80~90%くらいになるようにします。蓋をしたカップの内部がうっすらと曇るくらいがベストで、蓋にいくつか通気口を開けるなどして湿度の保ち具合を調節すると良いです。

孵化

孵化までの日数はメスの抱卵期間同様開きがあり、短いものでは1ヵ月強ほど、長いもので2ヵ月ほどで孵化します。高めの温度で孵卵しているほうが早く孵化する傾向にありますが、一概には言えません。

孵卵中に大きくへこんでしまったり色が変わってしまった卵は、発生が途中で止まった可能性が高いので、時期を見計らって破棄します。卵の殻にカビか生えることがありますが、卵の生死とは無関係の場合もあるので、ティッシュなどで軽く拭き取って取り除いてやります。

順調に育つと卵は産卵直後よりも大きくなり、孵化近くになると張りが出てふっくらとします。

孵化直前になると卵の表面に水滴が付いたようになり、薄い切れ目が入ります。これは内部から幼体が殻を破っているためです。幼体が自力で卵の外に出てくるまで手を触れてはいけません。

つい手を貸してやりたくなりますが、へその部分に繋がっている卵黄を体内に吸収しながら外へ出てくるので、人間が無理に外へ出してやるとうまく吸収ができなくなることがあります。

孵化後のお世話

完全に殻を破って外に出た幼体は、一晩孵化容器の中で過ごさせます。翌日になったら孵化容器から飼育容器に移しましょう。

孵化直後の幼体は成体よりも乾燥に弱いため、湿らせた水ゴケを詰めたタッパーなどをケージ内に入れてやると良いです。

数日中に初めての脱皮を行うので、その後初給餌を行ってください。

孵化してしばらくは体内に卵黄が残っており、それを吸収しきるまで餌を獲らないこともあります。すぐに餌を食べないからといってあまり焦らないようにしましょう。

一度餌を食べ始めたら、温度を成体よりも高めにしてどんどん成長させましょう。幼少期にしっかり給餌して温度を保っておくと、後の発色も豊かになります。

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