ヒョウモントカゲモドキの生態と歴史

ヒョウモントカゲモドキはパキスタン、アフガニスタン南東部、インド西部、イランなどの南アジア~中東付近に生息しています。ここら辺は気候区分でいうところの乾燥帯が大部分を占める場所で、砂漠が広がっています。

夜行性であるため、昼間は石の下や倒木の下に穴を掘って体を休め、夜になると食べ物である昆虫、クモなどの節足動物、小さいトカゲなどの爬虫類、小型哺乳類などを求めて歩き回ります。

昼夜の寒暖差が大きく乾燥している砂漠は生き物にとっては厳しい環境です。食べ物や水が安定して得られない環境でもあります。

そんな環境を生き抜いていくために、幅広い温度差と乾燥、絶食に耐える体を獲得しました。

このような特徴はペットとして飼育する上では大きな利点であり、他の爬虫類ほど温度と湿度の管理がシビアでなかったり、数日ほど家をあけても餓死しないなどの恩恵があります。

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ヒョウモントカゲモドキの歴史

ヒョウモントカゲモドキは飼育が非常に簡単で丈夫なことから、北米や欧米などでは初心者向けの爬虫類として古くから人気を得ていました。日本にも輸入されて海外と同様に人気を獲得しつつあります。

爬虫類愛好家の間でも根強い人気があり、1970年代に作成されたハイイエローを筆頭に様々な品種が確立されてきました。現在でも盛んに品種改良がなされており新しい品種が次々と生まれています。

CB個体とWD個体

ペットショップや爬虫類専門店で販売されている個体にCB・WCと明記されている事があります。

ヒョウモントカゲモドキに限らず爬虫類は、このような表記を見ることで、どのような親から生まれてきたかを知ることができます。

「CB」というのはCaptive Breedの略で、これは飼育環境におかれていた両親から人工的に繁殖された個体を指します。生まれてからずっと人間の手によって育てられているので、飼育慣れしており環境に順応しやすいです。寄生虫や感染症の危険も少ないので衛生面でも安心です。

「WC」はWild Caughtの略で、野生環境から採取してきた個体という意味です。自然捕獲された個体は寄生虫を持っている可能性があります。また飼育する種によっては、飼育環境に適応することができず、なかなか餌付いてくれない場合があります。

ヒョウモントカゲモドキの場合、昔は流通の野生捕獲個体が大部分を占めていましたが、原産国の政情不安定により野生個体の輸入は非常に少なくなっています。

そのため流通している個体はCB個体が圧倒的に多いです。ですから、この辺の表記はあんまり気にすることもないと思いますが、知っておくと他の爬虫類を飼育する際に役立つかもしれません。

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