繁殖に挑戦する

ヒョウモントカゲモドキ飼育をしていれば、一度は挑戦してみたい繁殖。色・模様が多種多様なモルフたちを、自分の手で生み出したいという願望も出てくることでしょう。

爬虫類の中でも繁殖がさせやすく、ヒョウモントカゲモドキの繁殖を経験することで、他のヤモリ類やヘビ、カメなどの繁殖も行うようになる飼育者も多いです。

そのような意味で、ヒョウモントカゲモドキは、爬虫類繁殖の入門的な存在といえます。

スポンサーリンク

繁殖の前に

繁殖を行う前に、殖やした個体を最後まで自分で飼育するのか、それとも、知り合いやペットショップなど譲り受けてくれる人がいるのか確認をしましょう。

販売を考えているのであれば、動物愛護法によって動物の販売には業者登録が必要であることを知っておく必要があります。業者としての登録がなければ無償であったとしても不特定多数の方に譲ることはできません。

無料で里子に出すのであっても、年間2匹以上または2頭以上、分譲をするのであれば、業者登録が必要です。

適齢期の目安

一般的に体重がオスで45g以上、メスで50g以上であれば繁殖可能であるとされています。アダルトサイズと呼ばれる個体 (18cm)でその重さに相当します。

産後の母体の回復などを考えると、メスは60g前後まで成長しているほうが、トラブルが少ないかもしれません。

オスは、体の発達不足が命の危険に直結するわけではありませんが、一度メスを前に発情したオスは、発情期が済むまで食欲が減退するようです。

いずれにせよ、あまり若いうちに交尾を経験させると、その後の成長が鈍くなるので、幼体から育てて繁殖させる場合は、適切な大きさにまで栄養バランスよく生育させてから行うのがよいでしょう。

性別による外見の違い

ヒョウモントカゲモドキをはじめとするヤモリの仲間は、比較的外観から雌雄の判別がしやすい種です。

全体的にオスはメスよりも大柄なため体重が重く、骨格もしっかりとしていて、頭部は幅があり大型です。メスはオスに比べて体重がやや軽く、丸みのある優しい顔つきをしており、華奢ですっきりした印象です。

総排出腔による判別

総排出腔の違いで性別を見分けることができます。最もわかりやすい判別のポイントとなる場所で、基本的に雌雄の判別はこの部分をみることによって行います。

オスにはヘミペニスを収納する「クロアカルサック」があります。

クロアカルサックがあるオスは、総排出腔の付け根付近が2か所ぽっこりと盛り上がります。メスにはこのクロアカルサックがありません。

ただし、個体によってはクロアカルサックがある位置がオスのように盛り上がったメスも存在します。その場合でも、オスは、はっきりと2か所盛り上がり、メスは、全体的に張り出したようになるという違いがあります。

また、オスは総排出腔の上部に「前肛孔」という穴のあいた鱗があります。

オスの前肛孔は列状に並んでおり、ちょうどV字になっています。メスはこの前肛孔が他の鱗と同じ大きさ・形をしており、V字になることはありません。

ただし、前肛孔は未成熟な個体だと発達がわかりにくく、肉眼で判別するのは難しいです。ルーペなどで拡大すれば、判別できることもあります。

クロアカルサックのみでも、性別の判別はできますが、確実に判別したいのであれば、生体が成熟するまで待ったほうがよろしいです。

スポンサーリンク

NEXT:クーリングから交尾までPREV:コンボモルフ