購入したコオロギやミルワームなどの生き餌は、レオパに与えるまでストックする必要があります。ストックというのは、生き餌が死なないように世話をするということです。
この記事で紹介しているストック法は、それなりの数(100匹以上)をストックする場合のやり方です。数週間で使い切る場合はもっと簡単な方法で大丈夫です。
コオロギやローチであれば、虫カゴを用意して、餌を入れて放置しておくだけでOKです。ミルワームであれば購入したときのケースにフスマが入っているはずですから、何もしなくてもストックできます。
ストックする数が増えても、やることは大して変わらないのですが、環境をある程度整えてやります。ストックする環境を整えることで、生き餌の死亡率を減らし効率よく餌を与えられるようにします。
手間をかけたくないのであれば、ストックする数を少なめにして定期的に購入するのがおすすめです。
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コオロギ
必要なもの
飼育ケース
プラケース(虫カゴ)か衣装ケースのどちらかを選びます。
コオロギは過密のなりすぎると共食いをはじめます。飼育数に合わせてサイズの合ったものを選びましょう。大型の虫カゴで100~200匹程度が目安です。
高さのある飼育ケースにしておくと、脱走のリスクが減ります。ケースの高さがあれば蓋をしなくても脱走はしませんが、念のため蓋はしておいたほうがいいです。
ただし、完全に密閉してしまうような蓋はやめたほうがいいです。湿気がこもり、コオロギの糞尿に含まれるアンモニアが充満します。この状態は最悪で、コオロギがアンモニア中毒でバタバタ死にます。
衣装ケースを使う場合は、蓋の枠を残して切り取り、園芸用のネットや網戸ネットを貼り付けるなど加工をして通気性をよくしましょう。ネットはワイヤーで縛るか、合成ゴム系接着剤で張り付きます。
紙の卵パック(隠れ家)
コオロギの隠れ場所になります。
卵パックをいれることで、飼育ケース内の表面積を増やすことができるので、少ない面積で効率よく買うことができます。コオロギの共食いを減らすこともできるので、いれておいて損はないです。
紙の卵パックは通販に単品で売っているので、大量に必要なら利用してみてください。
卵パックにこだわらなくても、隠れ場所になるものなら何でもいいです。新聞紙をクシャクシャに丸めて広げたものでも隠れ家になります。
水入れ
餌に昆虫ゼリーや野菜を使う場合は、水分補給ができるので絶対必要というわけではありません。あったほうが水切れによる大量死がなくなるので安心ではあります。
水入れに水だけだと、溺れることがあるので、溺れないようにする工夫は必要です。水をティッシュや脱脂綿に含ませるか、ジャリや小石で足場を作りましょう。
餌入れ
あったほうがケース内を清潔に保ちやすいですが、なくても構いません。
産卵床(繁殖をしない場合は必要ないです。水入れで代用可。)
コオロギは土に産卵管を挿して地中に産卵します。飼育ケースにも産卵できる場所が必要になります。
適度に深さがある容器(タッパーがおすすめ)に土をいれて湿らせておけばOKです。湿っていて産卵管が挿せればどこでも産卵するので、土以外にもティッシュや脱脂綿などが利用できます。
ケースに土を敷いていない場合は、産卵床を用意して産卵させます。水入れに水を含ませたティッシュや脱脂綿を使っている場合は、そこが産卵床になります。
パネルヒーター
コオロギ飼育に適した温度は20~28℃です。室温が20℃を切るようなら欲しいです。20℃を切っても死ぬことはないですが、活動が極端に鈍ります。活動に悪くなると、餌食いが悪くなって栄養価がガタ落ちします。
飼育温度は産卵や成長にも影響するので、繁殖をする人は意識したほうがいいです。
餌
雑食ですので何でも食べます。餌がないと卵パックや新聞紙ですら食べます。
とはいえ、最終的にはレオパが食べるものですから、安全で栄養のあるものを与えましょう。餌切れは共食いの原因ですので、常に餌がある環境を用意しましょう。
野菜
ニンジン、カボチャ、小松菜、キャベツ、ジャガイモ等。人間が食べない切れ端や芯のところを与えれば十分です。
昆虫ゼリー
餌になるだけでなく、水分補給にもなります。
ペットフード
鳥、うさぎ、魚、犬、猫などのペットフードを使います。
煮干し
動物性たんぱく質が不足すると共食いを起こしやすいので、何らかの形で摂らせましょう。
世話
餌切れ・水切れは共食いの原因となるので、補充は欠かさないように。死骸を見つけたら、素早く回収してください。
ケースの汚れ具合を見て、掃除をするようにしましょう。掃除を怠るとアンモニア中毒で大量死する可能性があるので、ケース内は清潔にしてください。
コオロギストックのコツはとにかく乾燥させることです。乾燥させることでアンモニアの発生を抑え、アンモニア中毒とニオイに発生を防ぐことができます。
繁殖のやり方
コオロギがいる飼育ケースに産卵床を入れておきます。数日すると産卵床に卵が産み付けられているので、取り出します。
産卵床を取り出さなくても、コオロギは生まれて勝手に育ちますが、他のコオロギに卵を食べられるのと、生まれたコオロギの生存率を考えると別で管理したほうが賢いです。
ティッシュか脱脂綿の産卵床を使っている場合は、糞で汚れているはずなので、取り除いて綺麗にしておきましょう。
取り出した産卵床は、タッパーやプラケースなどにいれておきましょう。できるだけ乾燥を防ぎたいので、タッパーならフタを、他の容器ならラップをして密閉しておきます。
産卵床が乾燥している場合は、霧吹きで軽く湿らせます。
親コオロギがいる飼育ケースには、まだ産卵を終えていないメスが残っているはずなので、さらに繁殖させる場合を新しい産卵床を入れておきましょう。
幼虫の管理
卵は2週間ほどすると孵化します。孵化にかかる時間は温度によって変わるので、もっと早いこともあれば遅いこともあります。同じ時期の卵でも個体差があるようで、1周間くらい遅れて孵化することもあります。
生まれてきた幼虫は、必要であれば小さいプラケースに入れておきます。
コオロギの幼虫はとにかく小さくて、餌入れ・水入れを登ることもできないので、餌と水は床に直置きで与えます。水はティッシュに含ませて与えましょう。
水切れには弱いので、ティッシュは毎日水を足して湿らせてください。汚れてきたら新しいティッシュに取り替えます。
幼虫がある程度大きくなったら、成虫と同じ飼育環境にしても大丈夫です。
ミルワーム&ジャイアントミルワーム
必要なもの
飼育ケース
プラケース(虫カゴ)でのストックが基本。小さめの容器でも100~200匹はストックできます。過密飼育にするとサナギになりにくい傾向にあるので、意図的に過密にしておくのもあり。
ザル・ふるい
ミルワームを他の容器に移すときに、フスマをふるい落とすのに使います。
餌
まずはフスマを3~5cmほどの厚さで敷きましょう。フスマはミルワームの餌になりますし、潜るための床材になります。ミルワームは光を嫌うので、潜れる床材があったほうが良いのです。
床材はフスマでなくても、腐葉土やオガクズでも大丈夫です。栄養があるという理由で、個人的にフスマを推しています。
フスマというのは、小麦を精白した際に得られる残りカスのことです。俗にいう糠(ぬか)というやつです。食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が含まれていて「〇〇○ブラン」というような健康商品も売りだされています。
基本的にはフスマだけでもミルワームは育ちます。ですが、せっかくレオパに与えるなら栄養満点のミルワームをあげたいですよね?
水分不足の心配もあるので、フスマの他に餌を与えて栄養をつけさせましょう。ミルワームは雑食ですので、何でも食べることができます。
野菜
野菜は餌としての役割以外に、水分補給の役割があります。小松菜、ニンジン、キャベツ、カボチャあたりが人気でよく食べてくれます。
特に小松菜はカルシウムが豊富ですから、カルシウムが不足しているミルワームの補強に役立ってくれることを期待できます。
野菜は洗ってから、水気をよく拭きとるようにしてください。ミルワームは水気を嫌います。フスマが湿気って傷んだり発酵する原因にもなります。
ペットフード
野菜ほどの必要性はないです。
鳥、うさぎ、魚、犬、猫などのペットフードを使います。フスマでは足りないタンパク質を摂取できて、ミネラルの補強にもなります。
煮干し
ミルワーム(特にジャイアントミルワーム)は動物性たんぱく質が不足すると、共食いをする傾向にあるので、多少は必要です。
動物性たんぱく質であれば何でも良いので、煮干しである必要はありません。お手軽でカルシウムも豊富だったので、煮干しを挙げておきました。スキムミルクなんかも悪くないですね。
世話
フスマさえあれば死ぬことはないので、餌の頻度はお好みで。
しばらくするとケースに糞が溜まるので、月1くらいの頻度でケースごと掃除しましょう。掃除の仕方は、ケースのミルワームをサルかふるいで集めて、新しいフスマを入れたケースに移すだけです。
ちなみにミルワームは、冷蔵庫に入れておくと幼虫の状態をキープしておくことができます。弱って落ちることはありますが、餌を与えなくても長期間保存が可能になります。成虫にしたくない、たくさん買いすぎてしまったなんてときは、冷蔵保存を活用してみてください。
繁殖のやり方
まずは幼虫のミルワームをサナギになるまで、成長させましょう。サナギになったら、他のミルワームに食われないようにタッパーか何かに隔離しておきます。
ジャイアントミルワームは、密度が高い状態だとサナギにならないため、幼虫の段階で隔離する必要があります。
体を「つ」の字に曲げて、あまり動かない状態がサナギの前兆ですので、見つけたら小さな容器(カプト・クワガタ用のプリンカップやピルケースなど)に1匹ずつ隔離しておきます。
サナギが羽化して成虫になったら、幼虫と同じような環境の飼育ケースを用意して、そこに移しておきます。
あとは幼虫と同じように世話をしていれば、勝手に繁殖して幼虫が育っていきます。生まれてきた幼虫がサナギになるまで成長したら、成虫を別の飼育ケースに移しておきましょう。
デュビア&レッドローチ
必要なもの
飼育ケース
虫カゴか衣装ケース。壁を登れませんし、飛ばないので高さはあまり必要ないです。基本的に飛びませんが、蓋はしておいたほうが安心でしょう。
衣装ケースを使う場合は、蓋の枠を残して切り取り、園芸用のネットや網戸ネットを貼り付けるなど加工をして通気性をよくしましょう。ネットはワイヤーで縛るか、合成ゴム系接着剤で張り付きます。
密集した環境を好むので、過密気味にストックしても問題ないです。大型の虫カゴであれば、300匹程度はいけると思います。許容量を超えても共食いを起こしにくいので、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。
紙の卵パック
デュビアの隠れ場所になります。物陰に隠れることが好きなので、隠れ場所はあったほうがいいです。
デュビアはひっくり返ってしまうとなかなか起き上がれないので、起き上がるための足がかりにもなります。
密集することが好きなので、数は少なめにします。
紙の卵パックは通販に単品で売っているので、入手が難しい場合は通販で購入しましょう。卵パックにこだわらなくても、隠れ場所になるものなら何でもいいです。
パネルヒーター
繁殖させるなら必要。
産卵する適温は25~30℃ですので、保温して適温にしておきます。室温が10℃を切っても生きてはいられるみたいです。
ただ、低温になると繁殖はまったく期待できません
床材
床材を敷くか敷かないかは、選択肢ですのでお好みで。
土系はカビやダニが発生する可能性が高いので避けるのが無難。ダニが発生した場合は、最悪リセットしなければなりません。
ゼオライト
ダニ予防、アンモニアの吸着の効果がある鉱物です。
防ダニマット
カブトムシ・クワガタ用に売っているものです。針葉樹を原料に使っていて、ダニ予防に効果があります。
木炭
アンモニアの吸着、脱臭の効果があります。
牧草(チモシー)
餌にもなる床材。牧草の種類はチモシーがクセがなくおすすめ。安いですし、手に入りやすいです。
牧草はダニが発生することがあるので注意してください。チモシーはイネ科の植物ですから、アレルギーをもっている人は避けたほうがいいかもしれません。
餌入れ・水入れ
餌を直置きするよりかは、餌入れに入れたほうが清潔に保ちやすいです。
水入れは、餌である程度水分が摂れるので必要性は薄いですが、乾燥した餌をメインに与えている場合や、匹数が多く密度が高い場合には、それなりの水分が必要になってくるので、入れておいたほうが良いです。
幼虫も同じ空間で飼育するので、登りやすいように、背が低くてザラザラした材質もものを用意しましょう。爬虫類用のものが最適だと思います。
餌
草食よりの雑食で何でも食べます。
野菜
カボチャ、ニンジン、キャベツあたりは好んで食べます。野菜から水分をとることもできます。
果物
リンゴやバナナなどの果物も大好物です。どうやらデュビアは甘いのもが好きなようです。
昆虫ゼリー
餌になるだけでなく、餌水分補給にもなります。甘いので食いつきもなかなか良いです。
ペットフード
動物性タンパク質が少ないものが好ましいです。ラビットフード、モルモットフードあたりがよいでしょう。
世話
餌切れ・水切れには強いですが、欠かさないようにしましょう。食べ残しは放置するとダニの原因になるので回収してください。死骸も見つけたら、回収してください。
数ヶ月に一度くらいは、ケース全体の掃除をします。
ニオイの発生やダニ対策のために、ケース内は乾燥した状態にしておきましょう。もしダニが発生したら、すぐにケージの掃除をしてください。フタを開けて通気性をよくし、床材を敷いている場合は使用を中止するか、防ダニ予防の効果があるものに変えましょう。
繁殖のやり方
繁殖可能な個体がいれば、勝手に増えていくので特別手を加える必要はありません。繁殖のコツとしては、ケース内の温度を28℃ほどに保ち、過密気味に飼育すると効率が上がるようです。
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